平成29年度「私立大学研究ブランディング事業」

学長挨拶

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四国大学「研究ブランディング事業」の実施にあたって

藍色は、深く鮮やかな日本を代表する色として世界的にもJapan Blue と称され、2020年の東京オリンピック・パラリンピックのシンボルカラーにも選ばれています。
中でも、藍の乾燥葉を発酵させてつくる天然藍染料である「すくも」は「阿波藍」と呼ばれ、かつては日本一の生産量を誇るなど徳島県の伝統文化・産業の中心として重要な役割を担ってきました。しかし、化学染料の浸透に伴い生産量は大きく減少し、地元産業は大きな打撃を受けることとなりました。本学では、こうした地域の伝統文化の伝承を図ることを目的に藍染専門施設「藍の家」を建て、教育および研究活動に注力してまいりました。
この度、文部科学省「私立大学研究ブランディング事業」に本学全研究者の融合・連携研究のテーマとして「『阿波藍』の新たな価値創造を目指した文化的・科学的研究及びその魅力発信・人材育成拠点の構築」の事業計画を提案・申請し、タイプA部門(地域で輝く大学等の支援:社会展開型)で約4倍の倍率の中採択されました。
これまで、本学では2014年に採択された、地(知)の拠点整備事業(COC: Center of Community)を実施する中で地域教育・貢献活動の充実・発展に努め、格段の成果を挙げてまいりました。さらに、今回の研究ブランディング事業の採択により、今後、地域研究分野においても一層の大きな展開を図ることが可能となることから、本事業を通して「阿波藍の知の拠点」としての四国大学研究ブランドの確立に取り組んで参ります。
本事業では、具体的には次のような5つの項目を計画しています。

  1. ① 藍文化の体系化→藍の博物館
  2. ② 藍の栽培方法と染め技法の技術開発:産学公連携研究を実施
  3. ③ 藍の科学的分析:大学オリジナルSU Blueの提案や食用藍に関して藍の成分分析・機能性表示食品開発やその安全性研究
  4. ④ 藍の知の拠点化:阿波藍の情報発信や"藍の国際フォーラム"の開催
  5. ⑤ 地域教育の展開:藍を含めた地域教育・人材育成 を進める

また、本学ではすでに新たな視点に立って、地元徳島・阿波の文化の探求・宝の発掘、情報発信するための学問・分野融合組織として学長を所長とする「四国大学附属新あわ学研究所」を2017年6月に設立し、主要研究部門のひとつに「藍文化部門」を設置しました。併せて、本事業を機能的に推進する中核組織として、地元の産学公との連携した活動を図りながら全学的な取り組みとして推進するため、SUBARU事業(Shikoku University-Brand Accumulation as Research University)本部を立ち上げました。本事業推進における今後の取り組み等について、ご理解、ご支援いただけますようお願い申し上げます。

四国大学長
SUBARU事業本部長 松重 和美