第2回選考結果
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応募多数の中から厳正な審査を行い、理事長賞、国際交流協会賞、優秀賞の各賞が決定しました。
審査結果は次のとおりです。
選考結果
賞名 | タイトル | 作者 | 所属 |
---|---|---|---|
学長賞 | 該当者なし | ||
理事長賞 | What is the most important thing when communicating? | 大西結菜 | 生光学園高校1年 |
国際交流協会賞 | 色々な考え方 | 清水つぶら | 香川県立小豆島中央高校2年 |
優秀賞 |
日本タトゥーなぜ禁止?現状は? | 照下千颯 | 香川県立小豆島中央高校2年 |
英語コミュニケーション | 皿井海陽 | 香川県立小豆島中央高校2年 | |
文化を知り、認めること | 村部寿珠 | 徳島県立名西高校2年 | |
任せろ!俺が世界を変えたるよ | 菊井悠生 | 香川県立小豆島中央高校2年 | |
身近にあるコミュニティ | 近久穂乃華 | 徳島県立名西高校2年 | |
異文化を知り、私が考えること | 大本莉子 | 愛媛県立伊予高校1年 | |
異文化理解で生きやすい社会へ | 吉岡まなつ | 徳島県立阿波高校2年 | |
What I learned in Australia | 藤野恵衣 | 徳島県立徳島北高校2年 | |
Great Experience in Australia | 佐竹杏実 | 徳島県立徳島北高校2年 |
選評
まだまだ広くは知られていないコンテストではありますが、今年は100を超える作品の応募がありました。香川県立小豆島高校や、徳島県立阿波高校、徳島県立名西高校、生光学園高校から多くの作品が寄せられていたのは、このコンテストを紹介し、ご指導してくださった先生がいらっしゃったおかげであると思われ、心から感謝申し上げます。
残念ながら、今年度は学長賞に該当する作品はありませんでしたが、意欲的な作品が寄せられました。
理事長賞を受賞された徳島生光学園の大西結菜さんのエッセイ、"What is the most important thing when communicating?" は、大西さんが、おばあさまの家の近所に住まれていた中国の方との交流を通じて「ことばの障壁はもはや異文化理解のリスクではない」ことに思い至ったことがなめらかな英語でつづられていました。
また国際交流協会賞を受賞された小豆島高校の清水つぶらさん、この方に異文化理解の真髄を気づかせてくださったのも、大西さんと同様、偶然にもおばあさまです。清水さん曰く「私のばあちゃんのすごいところは、知らない言語を話す人たちとコミュニケーションを取ることができる勇気だ」と、海外からの移住者と積極的に関わっていこうとする豊島のおばあさまのポジティブな様子と、それに影響を受けていく清水さんの変化が伝わってきて、読む者も思わずほんわかした気持ちになりました。
その他9名の方々が優秀賞を受賞されました。今年の特色としましては、新型コロナウィルス感染症が第5類に移行して、漸く海外との往来が再開し始めたことから、世界に向けた開放感みたいなものが感じられました。海外への研修旅行や留学生との交流イベントなどでの体験に基づくエッセイが多かったように思います。ニュージーランドでのホームステイやオーストラリアでの語学研修旅の思い出をそれぞれ活き活きと語って下さっていました。
これは応募していただいた方々全体に言えることなのですが、きっかけは身近な体験からの気づきでもいいと思うのですが、そこから始まって、できればもう少し先、この地球上で起こっている彼方の出来事にも想像力のアンテナを伸ばし、想いを馳せてくだされば、より深みのあるエッセイになるのではないかと思います。ロシア・ウクライナ戦争、イスラエル・パレスチナ戦争と、哀しいことに世界は新たな、そして深刻な分断に直面しています。今後は身近な体験から得た気づきをさらに発展させて、他者理解や受容に結び付けるような俯瞰的な眼差しを世界に向けてみてください。
互いを知り違いを認め合うこと、それは平和に繋がる異文化理解の原点でもあります。ささやかではありますが、このコンテストがそのような世の中に向かう小さな歩みの一つになってほしいと、心から願ってやみません。
谷口 薫 (四国大学 文学部 国際文化学科 教授)