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短期大学部人間健康科食物栄養専攻の西堀教授が令和4年度日本水産学会水産学進歩賞を受賞しました

2023年05月10日ニュース&トピックス

令和5年度日本水産学会春季大会(令和5年3月28日~31日)において、令和4年度日本水産学会賞・論文賞授賞式(30日)及び授賞講演(31日)が行われ、本学の短期大学部 人間健康科 食物栄養専攻 西堀教授の研究が「日本水産学会水産学進歩賞」を受賞しました。

受賞研究の内容について

赤潮は魚類の斃死や貝類の毒化を引き起こし、水産業に重大な被害を及ぼします。この研究は赤潮などの原因となる微細な藻類の増殖メカニズムに関する研究で、これら微細藻類の増殖にポリアミンが重要であることを示したものです。また、海水中にもポリアミンが存在することを明らかにし、海水中のポリアミンが微細藻類に利用されることを指摘しました。

ポリアミン:アミノ基を分子内に2つ以上持つ炭化水素の総称。ほとんどの生物の細胞に含まれており、細胞の成長や増殖を始め、細胞の生命活動に関与している物質のこと。

日本水産学会水産学進歩賞

(日本水産学会HPより授賞理由を引用)

  • 西堀尚良氏
    「有害有毒微細藻類の増殖および沿岸生態系の動態に対するポリアミンの役割に関する研究」
    ポリアミンはほとんどすべての生物の細胞に存在し,細胞の増殖や成長等,生命活動に必須である。西堀氏はポリアミンに注目し,特に赤潮藻類の増殖への関与と,海水中の動態について長く取組んで来た。細胞内の主たるポリアミンは微細藻類の綱ごとに異なり,赤潮渦鞭毛藻Karenia mikimotoiではノルスペルミン,赤潮ラフィド藻Chattonella属ではスペルミディンである事を示し,細胞内の含量が増殖速度と高い相関関係を示す事を見出した。また海水中ではプトレシン,スペルミディンが主要である事,微細藻類が海水中のポリアミンの供給源であり,一方で海水中のポリアミンは微細藻類に利用される事を指摘した。西堀氏のポリアミン研究は世界的に先駆的であり,水産学進歩賞を授与するにふさわしいものと評価された。

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